サイバー脅威の拡大に伴い、インドネシアは約600万人のデジタル人材不足に直面と副大臣が指摘
インドネシアは2030年までに約900万人のデジタル人材を必要とする見込みですが、現在の国内の人材輩出は300万人強にとどまっており、今後数年間で約600万人の不足分を埋める必要があります。通信・デジタル副大臣のNezar Patria氏は、サイバー脅威が人工知能や量子コンピューティングに依存する度合いを強める中、この人材不足は一層緊急性を増していると述べました。
- Nezar Patria副大臣は、インドネシアは2030年までに約900万人のデジタル人材を必要とすると推定しており、現在の輩出数は300万人強にとどまります。
- 約600万人の人材不足は今後数年間で埋める必要があります。
- Nezar氏は、「agentic AI」がサイバー攻撃を自律的に実行できるようになり、脅威の速度と規模が拡大すると警告しました。
- インドネシアは、長期的なデータを守るため、ポスト量子暗号(post-quantum cryptography)とセキュリティ・バイ・デザイン(security by design)の原則を必要としています。
数字で見る人材不足
8月10日付の書面声明で、Nezar氏は、インドネシアのデジタル人材需要は2030年までに約900万人に達するとの見通しを示しました。現在の国内の人材輩出能力は300万人強であり、今後数年間で約600万人の不足を解消する必要があることを意味します。
副大臣は、サイバーセキュリティを取り巻く環境が変化したため、この必要性はさらに緊急性を増していると述べました。脅威は従来型のハッカーによるものだけではなく、AIを活用した手法が増えています。
AIが脅威の構図をどう変えるか
Nezar氏は、AIはサイバー防御を強化できる一方、犯罪者が攻撃を自動化することも可能にすると説明しました。AIの登場により、攻撃はもはや人間のハッカーに完全に依存するものではなくなり、「agentic AI」がサイバー行動を自律的に実行し、脅威の速度と規模の両方を高めています。
また同氏は、「harvest now, decrypt later」(今収穫し、後で解読する)という手法にも言及しました。これは、暗号化されたデータを窃取して保存し、量子コンピュータが暗号を解読できるようになるのを待つというものです。長期的なデータを保護するため、インドネシアはポスト量子暗号(post-quantum cryptography)システムを開発するとともに、デジタルプロジェクトのシステム設計段階からセキュリティ・バイ・デザイン(security by design)の原則を適用する必要があります。
データセキュリティにとって人材が重要な理由
「強力な人材がいなければ、私たちのデータ資産はやがて散逸し、より力を持つ者たちに盗まれ、読まれ、奪われることになるでしょう」とNezar氏は声明の中で述べました。
こうした発言は、インドネシアがサイバーインシデントの増加に直面しながらデジタル経済の構築を進める中で行われました。600万人の人材不足を解消するには、教育、職業訓練、産業界の採用にわたる連携した取り組みが必要だと、同省は指摘しています。
よくある質問
インドネシアは2030年までに何人のデジタル人材を必要としていますか?
Nezar Patria副大臣によると約900万人で、現在の国内の人材輩出数は300万人強です。
「harvest now, decrypt later」の脅威とは何ですか?
攻撃者が暗号化されたデータを窃取して保存し、後日量子コンピュータが暗号を解読できるようになるのを待つという手法です。
サイバーセキュリティにおいてAIが諸刃の剣なのはなぜですか?
AIは防御システムを強化できますが、一方で攻撃を自動化して速度と規模を高める「agentic AI」も可能にするからです。
出典: Katadata
表紙画像はAIによる生成イメージです。
